ボストン日本人研究者交流会

2003年 発表テーマ

  • 第28回 2003年1月11日 土曜日 午後4時00分
    • 福原 浩 氏(ハーバード大学・MGH(マサチューセッツ総合病院), 東京大学泌尿器科)
    • 「癌をやっつけろ!~がん抑制遺伝子から癌の遺伝子治療まで~」
      癌は遺伝子の病気である、というのはジョーシキになりつつ?あり ますが、未だにわからないことだらけです。
      今回は、前半を「がん抑制遺伝子の見つけ方」について体験談も 交えお話しし、後半は現在の私の仕事である「ヘルペスウイルスを 利用した癌治療」を中心に、遺伝子治療の将来について話題を提供 したいと思っております。
    • 足立 亨介 氏(MIT Chemical Engineering Department, 京都大学大学院農学研究科)
    • 「阪神・柏戸・目玉焼き」– マイナー生物研究の楽しみ方
      「で、大学院で何の研究してるの?」「甲殻類のメラニン生成について なんですけど・・」「コウカクルイ?」「エビやカニのことですよ」 「EBIぃ!!KANIぃ!!!」ってな会話を私は院生時代に何回したこと でしょう。
      世の中には「巨人・大鵬・卵焼き」の様に華やかな研究分野もあれば、 「阪神・柏戸・目玉焼き」のごとく燻し銀の光を放つ分野もあります。 実際、マイナーな生物を扱う分野から生命科学の進歩に不可欠な知見 も得られているのです。しかしながら、ポストゲノム時代に入った現在、 メジャーな生物とマイナーな生物とでは研究そのものに対する考え方 すら全く違ったものになろうとしているのも事実です。
      今回の交流会ではマイナー生物を対象とした私のこれまでの研究生活 を振り返りながら、巷のメディアとは少し異なる角度から生命科学研究 の過去、現在、未来を考えていきたいと思っています。

  • 第29回 2003年2月8日 土曜日 午後4時00分
    • 井上 益秀 氏(Center for Energy and Environmental Policy Research, MIT)
    • 「コンセントの向こう側で競争やってるの?」
      皆さんの多くが毎月、NSTARから電気料金の請求を受けていると 思います。NSTARってどんな会社なんでしょうか? NSTARの料金 って、全米の中では高い水準なんでしょうか? 請求書に書かれ ている”Transition”や”Default”という項目の意味は?
      また、近年、新聞等ではエネルギー系企業のスキャンダルに係る 記事が数多く報じられていますが、これら企業は私たちの生活に どう関係しているのでしょうか?
      70年代後半に始まった米国の電気事業における規制緩和について お話しながら、日々の生活になくてはならない「電気」という商品に ついて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
    • 松尾 享 氏(ハーバード大学ケネディスクール・CBG関西経済同友会フェロー, 竹中工務店 東京本店建築技術部所属、一級建築士)
    • 「ゼネコン危機!! はたしてその中身は!!」
      週刊誌を飾るタイトルとしてすっかり定番となってしまった感のあるゼネコン危機。
      はたしてその実態は?・・・ ゼネコンとはgeneral contractorの略語です。 そのゼネラルな総合力を生かし国土開発・建設をリードしてきた業界ですが、近年の全業種的なデフレや需要減、バブルの負の遺産などから業界全体が苦しい経 営に迫られています。 一般の製造業とは異なり、つくったものが、公共の利便・安全、みんなが暮らす都市の記憶・財産にもつながり社会的責任が大きく、時として芸術性も要求され る業界。 一方、土地に立つがゆえの地権との絡み等、しがらみが多いのも特徴。
      週刊誌、 夕刊誌とはちょっと違う切り口で、“建築とは何か、ものづくりとは何か”についても触れながら、日本の建築業界の構造と現在の生き残り受注合戦、米国業界 との比較、最近はやりの電子入札等を通して、まさにGeneralに 日本の建設業界とゼネコンの存在意義について触れてみたいと思います。

  • 第30回 2003年3月8日 土曜日 午後4時00分
    • 木田 新一郎 氏 (MIT Woods Hole Oceanographic Institution Joint Program in Physical Oceanography)
    • 「文明を支える深層海流 ~2千年の流れ」
      海洋深層水と聞いて多くの人が思い浮かべるのは恐らくミネラル水のことではないでしょうか?
      実はこの海洋深層水、健康によいなどと言われていますがそういう意味以上に、人類の文明の発展に欠かせない温暖な気候を、この数千年間安定して持続させる上で重要な役目を果たしてきたといわれています。
      では、この海洋深層水は一体どこでつくられどのように海洋を巡っているのでしょうか。地球上最後のフロンティア、海底4000mの深層海流の世界を、映像を交えながら紹介したいと思います。
    • 辰巳 浩 氏 (MIT, Visiting Scientist, Center for Transportation & Logistics, 九州産業大学)
    • 「進化する道路交通システム ~ITSの中身とは~」
      ITSと聞いて何を連想しますか?カーナビゲーションシステムや有料道路の自動料金収受システムなどでしょうか。ITSとは、情報・通信技術を応用した次世代の交通システムで、日本をはじめとする先進各国が開発にしのぎを削っているプロジェクトです。
      今回の発表では、そのITSの中身をご紹介するとともに、今私が関わっているミクロ交通シミュレーションについてお話します。

  • 第31回 2003年4月12日 土曜日 午後4時00分
    • 梶波 康二 氏 (HNRCA at Tufts University)
    • 「コレステロールはどこまで悪者? -遺伝子診断からワイドショーまで」
      心 筋梗塞など動脈硬化によって生ずる病気は、欧米では死因の第一位、日本でも第二位を占めています。コレステロールは動脈硬化の主要な原因と考えられてきま したが、両者の関係が完全に解明された訳ではありません。一方、このテーマには実に多くの民間情報が交錯しています。医者の説明よりも「おもいっきり」の 話の方が人気があり、時に日常診療にも影響を及ぼすほどです。今回は、ヒトゲノム解析結果を用いたハイテクな医学研究とワイドショーとを両極として、コレ ステロールと動脈硬化の関係について話題提供したいと思います。
    • 桑原 祐 氏 (Columbia Business School, MBA Class of 2004, 外務省)
    • 「日米同盟を考える-ポスト9.11の国際情勢と日米関係」
      米 国のみならず世界を揺るがした9.11から約1年半、国際情勢は激動とともに不透明感を増しつつあります。米国によるアフガニスタン攻撃、そして現在の対 イラク攻撃と軍事活動が続く一方、安全保障理事会を中心とする国連の活動に疑問符を投げかける声も聞かれます。こうした渦巻く国際情勢の中の日本外交、と りわけ日米関係について、職場での経験を交えつつ、色々な角度から検証したいと思います。

  • 第32回 2003年5月10日 土曜日 午後4時00分
    • 岩間 芳仁 氏 (MIT Center for International Studies, 日本経団連)
    • 「パラサイト大国?日本の将来」
      世 界第2の経済大国でありながら、バブル崩壊後、低迷を続ける日本について、いろいろな問題が指摘されております。当地でも、憐れみ、励ましの言葉も含め て、日本経済に関する議論を伺う中で、結局日本はパラサイトが多い、ということか、と感じることが多々ありました。実は私自身、経団連という社団法人で、 パラサイトにならないためにはどうすればいいか、常に悩みながら、民間の財界の立場から、日本経済・産業の発展の基盤づくりに取り組んでまいりました。今 回、「パラサイト大国?」日本の将来のために何をすべきか、マクロの視点から問題提起をさせていただき、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
    • 荒木 通啓 氏 (BME、BU)
    • 「時計仕掛けの生命システム」
      近年の急速な技術の発展に伴って、様々な生物の ゲノム配列の解読が完了し、過熱とも言える新たなバイオブームが巻き起こっています。その華やかな舞台の裏では、絶えず次世代の方向性が模索されており、 生命システムそのものの捉え方が大きく変化してきているのも事実です。今回はその中でも、生命システムは自然が作り出した工学システムなのか、という視点 から話題を提供したいと考えています。
    • 竹田 欣克 氏 (Boston University School of Management)
    • 「“6つのポケット”を狙え!―Kids Marketにおけるブランド戦略」
      少 子化にデフレ不況―産業自体の行く末を危ぶむ声をよそに、なおも新規参入があとを絶たない日本の子供市場。消費の二極化が進む中、子供たちの夢を育むた め、高級子供服産業から子供文化産業へと舵を切り、成長を遂げてきた一企業での経験を踏まえて、子供市場におけるマーケティング戦略の実情とその展望に迫 ります。

  • 第33回 2003年6月1日 日曜日 午後4時00分
    • 横井 秀典 氏 (MIT Center for Biomedical Engineering)
    • 「将来有望!?ペプチド材料2次元3次元」
      皆さん一度は耳にしたことがあると思われる「ペプチド」。しかしペプチ ドっ てアミノ酸からできていることは知ってるけどタンパク質とは違うの?何か使い 道が あるの?などとあまり詳しく知られていないかと思われます。ペプチドは他の分 子で は形成し難い非常に興味深い構造をとることから、面白い機能を持った新規な材 料へ の応用が期待されています。今回の発表では、ナノメータースケールで構造解析 を 行ったペプチド材料の魅力を紹介したいと思います。
    • 梶井 健、山中 礼二、池上 真峰氏 (Harvard Business School)
    • 「逆風をついて高成長する日本のベンチャー企業の成功要因は何か? ~日本市場で勝負する起業家、投資家へのメッセージ~」
      日 本にはベンチャー企業が少ないといわれています。しかし、新興市場への上場数は意外と多く、2000年158社(米国397社)、2001年149社(米 国63社)が上場しており、日本市場の健闘が伺えます。我々は、この活発な新興市場へ上場したベンチャー企業 158社(2000年)に着目し、定量/定性的な調査分析を行いました。2000年から2002年にかけての2年間日経平均が56.1%低下するなか、 トップパフォーマの1社であるポイント社は、時価総額を実に158%も伸ばしています。我々は、トップパフォーマについて、人事/組織、製品/サービス、 財務、戦略等のBusiness Frameworkをベース に、日本のベンチャー企業の成功要因分析を試みました。その結果、一般的な「常識」や「先入観」に反する成功要因が明らかになるとともに、現場の経験に裏 打ちさ れたユニークなビジネスが多いことが分かりました。中でも特に印象深い数社について、彼らの戦略と成功要因の分析をご紹介します。我々の分析が、今後、日 本市場で勝負する起業家、投資家の方々のお役に立てば幸いです。

  • 第34回 2003年6月1日 日曜日 午後4時00分

  • 第35回 8月1日(金)午後4時00分

  • 第36回 9月21日(日)午後4時30分
    • 石井 裕氏 MIT, Associate Professor of Media Arts and Sciences (Media Laboratory) → ホームページ
    • 「タンジブル・ビット:情報の感触・情報の気配」
      概要: 人々は、物理空間の状況を感知しそれを操作するために、極めて洗練された能力 を発展させてきました。しかし、今日のグラフィカル・ユーザー・インターフェ イス(GUI)は、このような能力を十分活用することができませんでした。 Tangible Bits(タンジブル・ビット)は、人とコンピュータの対話(HCI)の未 来形を追求する我々のビジョンであり、デジタル情報に物理的な形を与えること で、人間の持つ洗練された能力に基づいて、ヒューマン・インターフェイスを構 築し、ビットとアトムの2つの世界を継ぎ目なく結ぶことを目標にしています。 Tangible Bitsのビジョンを指針に、我々は、物理的な物体、その表面、および 空間にディジタルの意味を付与することにより、ディジタル情報を、実感・操作 することが可能な「タンジブル・ユーザ・インタフェース」(TUI) をデザインし てきました。ここでは、人間の認知のフォアグラウンドにおける、モノとインタ ラクティブな表面との相互作用により、人間の手と体を用いた、情報の直接操作 を可能にしています。また、環境的メディア(環境光、音、空気の流れ、水の動 き等)を用いたバックグラウンド情報のディスプレイについても研究していま す。この研究は、デジタル技術を介して、人間が知覚の周辺でディジタル情報を で感知できるアンビエントな情報環境の実現を追求しています。 我々が生涯を通じ物質的な世界と関わりあうことで育まれた豊かな感覚と能力を 活かし、人間、デジタル情報、そして物理世界をシームレスにつなぐインターフ ェイスを実現することが我々の目標です。この講演では、Tangible Media Group が設計した様々なタンジブル・ユーザ・インターフェイスをご紹介し、将来の研 究の方向を提案します。 講演者の経歴 石井裕は、人、デジタル情報、および物理的な環境をシームレスにつなぐヒュー マン・インターフェースの研究を行ってきました。MITメディアラボでは、人と コンピュータの対話(HCI)の新しいビジョン-Tangible Bits-を追求すること を目標に、Tangible Media Groupを設立。氏の研究チームは、デジタル情報に物 理的な形を与えることで、抽象的なピクセルの配列から構成されるGUIを、より 実体感のある直接操作・感知可能なタンジブル・ユーザ・インタフェース (TUI) に変えるべく、研究を続けています。 http://tangible.media.mit.edu/ 現 在、氏の進めているTangible Bitsの研究は、インダストリアル・デザイン、建 築デザイン、及びメディア・アートに大きな影響を与えつつあります。

      MITでの活動以前には、1988年から1994年まで、NTTヒューマン・インターフェイ ス研究所のCSCW研究グループを率い、TeamWorkStationおよびClearBoardを開 発。93年~94年にはカナダ、トロント大学の客員助教授に就任。HCI (Human-Computer Interaction)およびCSCW(Computer Supported Cooperative Work)の研究 分野で活動して来ました。ACM TOCHI(Transactions on Computer Human Interactions)およびACM TOIS(Transactions on Office Information Systems )の編集者としても活動。またACM CHI、CSCW、UIST、SIGGRAPH、Multimedia、 Interact、ECSCW など数多くの国際会議のプログラム委員として活動して来まし た。

      石井氏は1978年に北海道大学工学部電子工学科を卒業、80年には同大学院情報工 学専攻修士課程を終了し、92年に博士号を取得。

  • 第37回 11月8日(土)午後4時00分

  • 第38回 12月6日(土)午後4時30分 大雪のため中止
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