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2018

第168回講演会

日時: 2018年12月15日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「プログラミングにまつわる家・教育・AIの話」

高田 和豊 氏

MIT Media Lab Lifelong Kindergarten Group / パナソニック株式会社 AIソリューションセンター


概要

近年、世界的にSTEM教育(Science, Technology, Engineering and Mathematics)が盛り上がりを見せており、その中でもSCRATCHなどのプログラミング教育への注目が高まっています。STEM教育と聞くと数学や理科を思い浮かべる方が自然ですが、なぜプログラミングなのでしょうか?この疑問について調べていくと、シーモア・パパートによって提唱されたコンストラクショニズムという教育思想に辿り着きます。そして、この考え方をレンズに未来をのぞいてみると、創造性を伸ばす教育はどうあるべきか、創造性のある暮らしとはどのような姿か、そこにAIはどのように関わるのか?についてのアイデアが次々と生まれてきます。 本講演では、プログラミング教育やAIに関する研究を紹介しながら、プログラミングと人の創造性の関係についてお話ししたいと思います。さらに、現在取り組んでいる研究を通して、将来の教育や暮らしがどのように変わっていくのか、演者の考えを共有したいと思います。

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「今日と明日の乳癌診療」

永山 愛子 氏

Massachusetts General Hospital Cancer Center / 慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科


概要 

「乳房にしこりがあるかも…。」日本人女性の11人に1人が乳癌にかかるといわれています。最も身近で女性特有の病気である乳癌の診断・治療は実際どんな風に行われているのでしょうか。同じ乳癌でも、ステージやサブタイプによって治療方針は大きく違ってきます。手術や放射線などの局所治療と内分泌療法や化学療法、分子標的薬などの全身療法をどう組み合わせて最適な治療とするのか、近年の個別化医療の実現によって治療の多様性は増してきています。科学的根拠に基づく標準治療がめまぐるしくアップデートされていく中で、女性のライフステージに寄り添う診療はどんな風に進化してきているのでしょうか。本講演では最新の乳癌診療のエッセンスとともに、今日の乳癌診療を支える臨床試験について、また明日の乳癌診療に変革をもたらす研究のトピックスを共有したいと思います。乳癌になっても怖くない、そんな社会を実現するために、一緒に考えてみませんか。

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第167回講演会

日時: 2018年11月17日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「数学の世界の“つながり”〜浮き輪から幾何学模様を作っちゃおう!!〜」

風呂川 幹央 氏

Massachusetts Institute of Technology / 日本製鋼所


概要

例えば、本会のような異分野の研究発表を聴く際に、この話は自分の専門で言う所のあれかな? と考えたことがあるかと思う。加えてそこで得た知見を自分の専門に展開することで新たな結果を得たという人もいると思う。こういった全く関連がないと思っていたものが実は関連していて、他方のアイデアを導入することで発展するということは数学の世界に限っても多々ある。私はこういったところに数学の魅力を感じている。すなわち、1. 視点を変えることで一見関係がないようなものの “つながり” を見出すこと、2. 先人たちの知恵という道具を用いて道のりを整備していき“つながり” を築き上げていくところ、これらに魅力を感じている。本講演では、浮き輪と幾何学模様という一見関係性のないものに対し、“位相幾何学” と “双曲幾何学” という道具を用いて道のりを整備していく。その中で数学の世界の “つながり” を感じてもらえればと思う。

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「エピジェネティックコードを解読せよ 〜DNAに記憶されない生命の情報を読む〜」

星居 孝之 氏

Dana-Farber Cancer Institute


概要 

私たちの体を設計するDNAはほぼ全ての細胞で同じであるのに、どのようにして様々な細胞が生まれ、脳や筋肉を形作るのか。「生命の設計図がDNA上に保存されている」とするのが100年に渡る遺伝学の結論であるが、設計図からの情報の読み出し過程は、環境や生活習慣によって変化することが明らかとなってきた。このDNAからの読み出しを調整する方法を研究する学問として、エピジェネティクス(後成遺伝学)が発展している。エピジェネティクスの理解が、DNA配列の解読では明らかにならなかった、種の進化、がんや生活習慣病の原因解明、更に次世代の健康問題の改善にまで役立つと期待されている。既に、医療分野では創薬標的として活用されており、この分野から近い将来ノーベル賞受賞者が現れるとも目されている。今回は、その面白さから、最新の研究結果まで、演者の研究する小児性白血病の話も加え、少しディープな世界をお伝えしたい。

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第166回講演会

日時: 2018年10月20日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「ようこそ!魚類研究の世界へ〜魚類の進化と適応戦略〜」

伊良知 正太郎 氏

USGS, S. O. Conte Anadromous Fish Research Center/宮崎大学大学院 農学研究科


概要

「魚類」は4億5千年もの歳月をかけ、鰓(えら)、鰭(ひれ)、鰾(うきぶくろ)など、特有の器官を発達させてきました。これに並行し、生理学的機構を備えることで、河川から深海までのあらゆる水圏環境に適応し、今日の繁栄につながっています。私の研究対象であるサケは、Diadromous(通し回遊魚)と呼ばれる魚類であり、その一生の中で河と海を往来するユニークな生活史を有しています。異なる環境を往来する彼らは、一体どのような生理学的機構を備え、どのような戦略で環境適応をしているのでしょうか。

本講演では、魚類の進化や魚類生理学に関する近年の研究を紹介しながら、明日誰かに話してみたくなるような、魚のトリビアをお話したいと思います。さらに、我々の研究がどのように社会に貢献できるのか、将来展望や今後の課題などについても、演者の考えを共有したいと思います。

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「アフェクティブコンピューティング -“感情”の未来予測-」

梅松 旭美 氏

MIT Media Lab/NEC中央研究所


概要 

あなたは、明日のご自身の感情やストレス、健康状態をどの程度予測できますか?

もし、それらの内面状態を高精度に予測できるとしたら、生活をどのように変化させたいですか?

近年、多くの方が、腕時計型ウェアラブルデバイスなどを身につけ、個人の日常生活の生体情報を定量化しています。データを取りため可視化する以外に、収集したデータはどう活用できるでしょうか。私は、収集されたデータの意味を理解し、人の内面状態を推定し、さらに未来の内面状態まで予測することで、自身の感情と行動をより良い方向へ導くことが出来るようなシステムの研究に取り組んでいます。本講演では、まず、アフェクティブコンピューティングと呼ばれる研究分野の概要とその歴史について皆様と共有し、どのような情報から感情が推定できるかを、現在取り組んでいる機械学習を活用したストレス予測の研究と絡めて、ご紹介します。

アフェクティブコンピューティングは、心理学、認知科学、社会学などとも結びつき、研究対象は広範囲に渡ります。皆様との幅広い議論を楽しみにしております。

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第165回 基調講演会

日時: 2018年9月15日(土) 16:20-18:00
会場: MIT E51-115

「人類初期のイノベーション」

宮川 繁 氏

Professor of Linguistics & Kochi-Manjiro, Professor of Japanese Language and Culture, Senior Associate Dean for Open Learning, MIT


概要

350万年前にホモ・サピエンスの祖先が初めて道具を「発明」した。石のかけらのようなものだったが、この道具ひとつで100万年生き続けた。これが哺乳類初のイノベーションである。このようなイノベーションは一体どのように生まれて来たのだろうか。道具のほかに言語や世界中の洞窟で発見されている壁画も人類初期のイノベーションである。これらはどのように生み出されたのだろうか。どれも全くの白紙状態から出てきたわけではなく、すでに存在しているものを工夫し改良して作り出したのである。例えば人間の言語は10万年前に出現したと言われている。現代の言語を分析してみると、そこには二つのシステム(「単語」、「表現(文法)」)が存在し、多くの動物や鳥はこれらに似たシステムを別々に使っていた。人間は、 既に存在していたこの2つのシステムを統合したと考えられる。他のイノベーションも同じような経過をたどって生み出されたと考えられるのである。

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参考文献

(1)「The Emergence of hierarchical structure in human language」, Frontiers in Psychology, 2013 (with K. Okanoya and R. Berwick).

(2)「Cross-Modality Information Transfer: A Hypothesis about the Relationship among Prehistoric Cave Paintings, Symbolic Thinking, and the Emergence of Language」, Frontiers in Psychology, 2018 (with C. Lesure and V. Nobrega).

(3)Agreement beyond phi. MIT Press. 2017.

第164回講演会

日時: 2018年5月19日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「日本発の創薬に挑戦-何を考え行動する必要があるのか?-」

野尻 崇 氏

Department of Radiation Oncology, Massachusetts General Hospital


概要

「癌は全身をぐるぐる循環しているが、何故心臓には癌がほとんど転移しないのか?」 私は心臓から出る心臓ホルモンが、癌の転移を防ぐことを偶然発見し、これを応用すべく研究を続けています。2人に1人は癌になり、3人に1人は癌で亡くなる時代に生きる我々にとって、癌は身近な問題であると同時に、死に直結するイメージがあります。我々は、高血圧や糖尿病と同じように、“癌になっても癌で亡くならない時代が来るといいな”を合言葉に日本発の創薬に挑んでいます。その過程で、創薬のプロセスで必須となる特許申請、製薬企業との提携、大型資金の獲得といった様々な壁にぶち当たり、その都度悩みながら解決策を見つけようと努力して参りました。そのようなプロセスを皆さまと情報共有し、日本から新薬開発を促進する一助となれば幸いです。

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「国際テロリズムと日米警察:グローバル・ジハードの時代に知っておきたいこと」

水野 寛子 氏

The Fletcher School


概要 

ボストンマラソンのゴール地点で爆破テロがあったのは、5年前。当時ボストンやケンブリッジはずっと犯人たちの生活圏であり、テロは決して私たちにとって異世界の話ではありません。とはいえ、テロをただ恐れるのではなく適切に警戒し、防ぎ、対処していくため、その目的や背景の理解が必要です。テロって何?銃乱射事件は全てテロ? 過激派のリクルート活動とは? 講演では、こうしたテロリズムの概念、グローバル・ジハードの背景と現状、政府と私たち個人のテロ対策等について概観し、最終的には自由と安全や将来のテロ対策についても、”Boston Strong” で市民と警察が一丸となりテロと戦ったここボストンで、皆様と一緒に考えていければと思います。

また、テロ対策の要ともいえる日本と米国の警察についても、経験を踏まえてお話ししたいと思います。世界から参考にされる日本警察のこと、日米のお巡りさんのこと、少しでも身近に感じていただければ幸いです。

第163回講演会

日時: 2018年4月21日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「近現代日本の政軍関係:永遠の課題、日本を理解する視座」

稲田 晶彦 氏

Fletcher School, Tufts University


概要

政軍関係論、と聞いてピンとくる方はあまり多くないかもしれません。英語ではCivil-Military Relationsと言われる分野ですが、米国では安全保障学の中でも数十年の研究の蓄積を持つ重要な分野のひとつとされており、ざっくり言ってしまえば国や社会全体とその軍事組織との間の関係性全てをその対象とする分野とでも言うことができます。明治以降昭和戦前期までの日本では、憲法において、また国の政策決定機関において、そして実際の政策決定において軍部は重要な地位を占めていました。一方、戦後の日本に「軍」はありませんが、日本は国の機関として自衛隊を保有しており、戦後日本の歩みの中で、他の行政機関を含む政府と自衛隊の関係は時に争点となりながら変化を続けてきました。政軍関係の視座は、日本はなぜあの戦争に突入したのか、そして日本が21世紀に安全保障政策を考える上で何が必要なのか、すなわち日本の過去と未来を考える上で不可欠の視点を提供してくれるものです。それを踏まえ、政軍関係を考えることが安全保障というより大きなテーマの中でどのような意義を持つかについても、演者の考えをお話ししたいと思います。

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「鉄道員(ぽっぽや)が語る地政学:激変する国際環境と日本の課題」

穂苅 裕太郎 氏

Fletcher School, Tufts University


概要 

敗戦後の焼け野原からスタートして70余年。日本の鉄道システムは途中、国鉄改革という大きな変革を挟みながらも時勢と共に成長し、今では世界でも稀な発展を遂げたと言われるまでになりました。世界で初めての高速鉄道「新幹線」は、日本が世界に誇る技術の結晶として、海外への展開が目ざされるに至っています。

しかし、日本がサービスを磨き込む中で、世界もまた大きく変貌を遂げてきました。頑なに国内市場を保護する米国、鉄道市場の自由化と標準化を掲げ、世界に展開しようとする欧州、鉄道の近代化に着手してからたった約10年で世界シェアトップに踊り出た中国…。いま世界の鉄道市場は、大変動に晒されています。そんな中、日本はどう針路をとるべきなのか。「日本が世界に誇る鉄道」とは具体的に何なのか。本講演では、鉄道マンでありつつ国際関係学の大学院で学ぶ演者が、「鉄道」というちょっと珍しいレンズを通した「世界の見取り図」をご紹介します。激変する世界で、これまで日本が磨き込んできたものは通じるか。これはそのまま、今の日本に突きつけられた課題でもあります。

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第162回講演会

日時: 2018年3月17日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「これまでの半導体とこれからの半導体」

奥村 宏典 氏

筑波大学 数理物質系/マサチューセッツ工科大学 電気電子情報学科


概要

科学技術の進歩は目まぐるしく、今までにない性能を持った製品がどんどん登場しています。新技術が使われるたびに、新聞やニュース、ショップ、広告で新しい単語が踊ります。太陽電池、レーザーダイオード、CMOSトランジスタ、フラッシュメモリ、LED、MEMS・・・これらは全て半導体からなります。半導体は生まれて70年、何度も技術革新を起こしながら、いろんな電化製品に使われてきました。半導体市場はずっと右肩上がりで、既に40兆円を超えています。 これまでの半導体は、どのように発展してきたのでしょうか?今求められている技術は?これからも技術革新し続けるの?もしそうなら、どういう方向に進むのでしょうか?

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「エネルギーと地下のはなし」

椋平 祐輔 氏

MIT Earth Resources Laboratory/Institute of fluid science, Tohoku University


概要 

21世紀を生きる人類は火星への有人探査(距離約7000万km)を現実に計画している一方で,地球の内部へは未だ地上から最深12km程度しか到達できておらず,地震を始めとした地下の物理現象も未だよく理解できていません。その一方で人類は,非在来型化石燃料の供給,地熱エネルギー開発,核廃棄物処理,地球温暖化抑制のための二酸化炭素地下貯留等,多くのエネルギー問題の解決を地下環境に頼ろうとしており、そこには様々なリスクが存在します。 東日本大震災以降,日本のエネルギーシステムは大きく変わりました。今後,我々はどのようにエネルギーと,そのリスクに向き合って行けば良いのでしょうか?エネルギー問題を取り巻く地下開発・研究の最前線,特に地下に注水する水圧刺激工程(フラッキング)とそれが引き起こす人為的誘発地震のリスクを中心に,そのダイナミズムを共有したいと思います。

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第161回講演会

日時: 2018年2月17日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「iPS細胞とゲノム編集〜今まで治らなかった病気が治る!?」

李 紅梅 氏

Postdoctoral Fellow, Boston Children's Hospital, Harvard Medical School


概要

皆さんは、「iPS細胞」に親しみがありますか? iPS細胞といえば、再生医療や創薬、珍しい疾患の病態解明に役立ちそう、あるいは不治の病を治せる夢の細胞といったイメージでしょうか。iPS細胞を用いた研究によって、明日にでも不治の病が治りそうな報道を、時々、耳にすることもありますが、実際のところ、iPS細胞を用いた再生医療や創薬の技術はどこまで進んでいて、将来的に何を期待できるのでしょうか。 本講演では、今まで技術的に困難であった研究を可能にしたゲノム編集技術を簡単に解説し、その技術がどのようにiPS細胞研究に役立っているかを、私の研究を通してご紹介します。また、iPS細胞を用いた再生医療や創薬の現在、未来、そして今後の課題についてもお話ししたいと思います。さらに、日本とアメリカでのiPS細胞研究と共にあった私の研究キャリアにも触れ、外国人留学生、女性研究者としてのキャリア形成について、皆さんと一緒に考える機会になればと思います。

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「数値シミュレーションで拓く宇宙フロンティア」

谷 洋海 氏

JAXA 宇宙航空研究開発機構/Massachusetts Institute of Technology


概要 

アポロ11号が月面に降り立って約50年。かつて国家間の競争であった宇宙開発は国際協力主導から, New Spaceと呼ばれる新興民間企業を巻き込みながら有人月探査, 火星探査計画へと大きく飛躍しています。また, 大気圏を越えて数分間の無重量環境を体験するサブオービタル宇宙旅行も身近なものになっていくでしょう。このように, ミッションは多様化しており, その安全性や成立性の評価をいかに高精度・スピーディー・低コストに行えるかが重要となります。特殊な部品が多い宇宙機開発では, 高コストな試験のみでは実現できず, 数値シミュレーションによるバーチャルな評価に頼る必要があります。我々は, 時にスーパーコンピュータを用いた数値シミュレーションを行い, ロケットエンジン等の性能や安全性を評価しているのです。講演では, 現在の国際間, 日本の宇宙開発の現状に触れながら, どのように数値シミュレーション技術を研究開発し, 活用しているかをお話したいと思います。

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第160回講演会

日時: 2018年1月20日(土) 16:20-18:45
会場: MIT E25-111

「難民・庇護制度の日米比較~ジェンダーを巡る申請~」

高瀬 佳子 氏

タフツ大学フレッチャースクール/法務省東京入国管理局


概要

「難民」と聞いて、皆さんはどのような人を想像しますか?政府による弾圧を受け、命からがら逃げてきた反政府活動家。武装組織に都市を制圧され、家を失って隣国へ移った家族。保守的な父親の暴力をおそれ、自由の国に逃げてきた少女。どのような人たちが、どのような手続を経て、難民と認められるのでしょうか。世界においてかつてない難民危機が起こる中、日本でも現在、申請数の増加を受け、難民(庇護)制度の見直しが行われています。厳しいと言われている日本の難民認定審査は、どのように変わるべきなのか、変わっていけるのか。アメリカの政策や制度から学ぶべき点はあるのか。これまでの職務経験を踏まえて、日本の難民(庇護)制度についてお話させていただき、少しでも難民認定実務について知っていただいて、皆さんと議論していきたいと思っています。
 

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「精神疾患とモデル動物~ヒトの精神機能の理解を目指して~」

三輪 秀樹 氏

Harvard Medical School/VA Boston Healthcare System, Visiting assistant professor


概要 

社会構造の急速な変化も相まって、「心の病」である精神疾患により医療機関にかかっている患者数は近年増加しています。 これら「心の病」の予防および治療を行うため、医療従事者は日々努力してきているわけですが、 「精神」という抽象的で実体も捉えることができていない事象を治療対象とするために、 病因や病態メカニズムはもちろん、それらに基づいた根治療法は未だに開発されていません。 今回の交流会では、基礎医学研究者として生物学的精神医学研究に従事している立場から、私が新たに開発した統合失調症モデルマウスを例に取り、 「心の病」に対して、どのような研究アプローチを取りながら、脳神経科学および精神医学研究に取り組んでいるのかなどの現状をお話しようと思います。 この講演を通して、「何が分かっていて、何が問題なのか?」など、一番身近にありながらも一番遠い存在でもある「脳」について皆様と共に考える機会となれば幸いです。
 

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(c) 2000-2018 Boston Japanese Researchers Forum

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