今回は、2024年度秋初回の基調講演を担当してくださる山下由起子先生のショートインタビューです!
9月21日(土)16:20よりMIT E51-395にて、ふるってご参加ください。詳しくはこちらから。
山下由起子 氏
Member, Susan Lindquist Chair for Women In Science, Whitehead Institute;
Professor of Biology, Massachusetts Institute of Technology;
Investigator, Howard Hughes Medical Institute
Q: ボストンへ来られたきっかけは何だったのでしょうか?
A: 元々ミシガン大学で教授をしていましたが、現所属から声をかけてもらったのがきっかけで、同僚となる研究者たちのvibe(研究に対する姿勢)が良かったので動くことに決めました。
Q: 今回のBJRF講演ではどんな研究のお話を伺えますか?
A: 「種分化の謎とジャンクDNA」のテーマでお話しします。ゲノムは生命の設計図であるとよく言われますが、実際には半分以上(人間では9割以上)のゲノムDNAが何の遺伝子産物(タンパク質など)をもコードしておらず、ジャンクと呼ばれています。中でも、反復配列(同じDNA配列が、タンパク質などをコードすることもなく100万もの文字列がつながっている)はジャンク中のジャンクであり、その存在意義は不明とされてきました。これらの反復配列は生物種間でもあまり保存されておらず、重要性の低さ(つまりジャンク)の証拠であると捉えられてきました。我々の近年の結果は、これらのジャンクと考えられてきたDNAが実は「とじしろ」のような役割を担っており、染色体DNAの保持に必須であることを示しました。そこから敷衍して、ジャンクDNAの変容が種分化につながっているのではないかと提唱しています。
Q: 先生がご自身の研究生活で大切にされていることはありますか?
A: 既存の考えにとらわれないこと、ストイックに目の前にある疑問に集中すること、人間としてのインテグリティーを保つこと、でしょうか。
Q: ボストンでの好きな休暇の過ごし方を教えてください。
A: 平日は犬の散歩が主なrelaxationです。(ちょっと西に行くとstate parkなどかなり自然があります)
山下先生、貴重なインタビューありがとうございました!
皆様、9月21日の基調講演会ふるってご参加ください。幹事一同、会場でお会いできるのを楽しみにしております。